水力発電は、温室効果ガスを排出しないクリーンな再生可能エネルギーで、地球温暖化対策が急務となっている現在、この特徴は非常に重要です。
水力発電の発電効率は約80%と、他の発電方法と比較して圧倒的に高い水準にあります。
水力発電に次いで効率が高い発電方法
• 天然ガス複合発電：発電効率約55～64%
• 火力発電(蒸気発電)：発電効率約40～43%
• 風力発電：発電効率約30～40% (理論上の限界は59.3%とされています)
• 原子力発電：発電効率約33%
• 太陽光発電：発電効率約15%〜20%
高い場所から低い場所に水を落とす際の位置エネルギーを、最小限のロスで運動エネルギーに変換でき、水の自然な落下力を直接利用するため、エネルギー変換のロスが少なくなります。
水力発電は大規模なダムだけでなく、1,000ｋｗ以下の小水力発電所が日本各地で活用されていて、超小型のわずかな水の流れでも発電が可能です。
これらの小規模な水力発電は、地域のエネルギー自給や災害時の非常用電源としても期待されています。
日本のような水資源が豊富な国では、水力発電が温室効果ガス削減目標の達成に大きく貢献することが期待されています。
環境面でのメリット
•発電時に二酸化炭素や有害物質を排出しないため、地球温暖化対策として非常に有効
•再生可能な水資源を利用するため、エネルギー源の枯渇リスクが低く、長期的に安定した供給が可能
経済面でのメリット
•水力発電の変換効率は約80%と、他の発電方法と比べて非常に高い
•燃料費がかからず、水という無料の資源が利用できて、管理・維持コストも比較的安価
安定性と柔軟性
•自然条件に左右されにくく、長期的かつ安定的に電力を供給でき、安定した電力供給が可能
•貯水式や揚水式の場合、電力需要の増減に対応して発電量を調整できる
水力発電技術は、日本国内だけでなく、海外の無電化地域にも貢献する可能性があり、環境に優しいエネルギーを地球の隅々まで届けることで、持続可能な社会の実現に寄与することが期待されています。
水力発電は、その環境性、経済性、技術的優位性、多様な応用可能性、そして将来性において素晴らしい特徴を持つエネルギー源です。
これらのメリットにより、水力発電は環境保護と安定したエネルギー供給を両立する重要な再生可能エネルギー源として注目されていますが、高効率であるにもかかわらず、水力発電には課題があります。
効率の良い発電所の建設には莫大な費用がかかり、河川を利用する場合、水利権の取得が必要で
適地が限られていることなどから、日本での普及はそれほど進んでいません。
発電効率の観点からは水力発電が最も効率的ですが、実際の導入にあたっては、さまざまな要因を考慮する必要があります。
