世界経済フォーラム(World Economic Forum、WEF)は、世界の経済、政治、学術、その他の社会分野におけるリーダーたちが連携し、グローバルな課題に取り組むことを目的とした国際機関で、1971年にスイスの経済学者クラウス・シュワブによって設立され、スイスのジュネーヴ州コロニーに本部を置いています。
組織の特徴としては、独立した非営利団体で、スイス連邦政府の監督下にあり、国連経済社会理事会のオブザーバーの地位を有していて、運営資金は世界各国の約1,000社の会員企業からの寄付金で賄われています。
主な活動
1.年次総会(ダボス会議)
毎年1月末にスイスのダボスで開催される最も重要な会合で、各国の首脳や閣僚、国際機関の代表、グローバル企業のCEO、著名な学者や研究者、文化人やアーティストなどが参加します
2.地域サミットと一般会合
年間を通じて、さまざまなフォーラムを開催しています
3.報告書の発行
「世界競争力報告書」 「世界ジェンダーギャップ報告書」など、多くの比較調査を発表しています
WEFは、世界経済や社会問題に関する議論の場を提供し、国際的な協力を促進する重要な役割を果たしていて、その活動は、経済政策から環境問題、テクノロジーの発展まで、幅広い分野に及んでいます。

初年度、1971年のダボス会議は、世界経済フォーラム(WEF)の前身である「ヨーロッパ経営フォーラム」として開催され、この会議には、31カ国から450人の参加者が集まり、主に欧米のビジネスリーダーや学者が出席しました。
初年度の会議内容
• 主なテーマ:初回の会議では、優れた経営技術や経済的課題について議論が行われ、具体的なテーマは明示されていませんが、経済成長や企業経営に関する意見交換が中心でした。
• 参加者:参加者は主にビジネス界のリーダーであり、欧州委員会の委員やアメリカの大学からの学者も含まれていて、これにより異なる視点からの意見が交わされる場となりました。
• 目的:ダボス会議は、国際的なビジネスリーダーたちが集まり、グローバルな経済課題を解決するための協力を促進することを目的としていました。
この理念は後に「ステークホルダー資本主義」という考え方に発展していきます。
1971年のダボス会議は、後の年次総会へとつながる重要な第一歩となり、以降も毎年開催される国際的なプラットフォームとして成長していきました。

2025年のダボス会議は『インテリジェント時代に向けたコラボレーション』がテーマで、「信頼の再構築」 「成長の再構築」 「人材投資」 「地球環境保全」 「インテリジェント時代における産業」の5つをサブテーマとし、1月20日~24日、スイス、ダボス・クロスタースで開催されます。
また、2025年には新たなキャンペーン「Performing Hope in the Face of the Climate & Nature Crisis」が発表され、気候変動と自然環境への取り組みも強調される見込みで、非営利団体クライメート・ベースキャンプによって立ち上げられました。
1.キャンペーンの背景と目的
• 気候危機への認識:地球温暖化や生物多様性の喪失が進む中、希望を持って行動することが重要であるというメッセージが強調されています。
• パフォーマンス:キャンペーンは、個人やコミュニティが日常生活の中で希望を表現し、具体的な行動に結びつけることを促します。
これには、文化的な活動や社会的な取り組みが含まれます。
2.主要な要素
• 存亡の機に立たされていることへの認識:人類が直面している気候変動の脅威を理解し、その影響を受ける生態系や社会について考えます。
• 希望を持って行動すること:日常生活や職業において、自分自身や周囲に対して希望を持った行動を実践することが求められます。
• コミュニティとの連携:個人だけでなく、コミュニティ全体で協力し合い、持続可能な未来を築くための意識改革を促進します。
3.実施方法
キャンペーンは、SNSで「#performinghope」を通じて広がり、参加者が自らの取り組みを共有することで、より多くの人々に影響を与えることを目指していて、イベントやパフォーマンスを通じてメッセージを発信し、参加者に具体的な行動を促す場も設けられています。
「Performing Hope in the Face of the Climate & Nature Crisis」は、気候変動に対する積極的なアプローチの重要性を再確認させるためのキャンペーンとして位置づけられています。